長野県のワイン産地について
長野県ではワイン事業と共に観光事業を発展させる目的として信州ワインバレー構想を2013年に発表。松本盆地、佐久盆地、長野盆地、伊那盆地の4つのエリアに区分けをした。
これらは4つのエリアは積算温度によって分けられている。
➀ 千曲川ワインバレー
・地域:東御市、上田市、長野市近辺のぶどう生産地。特に千曲川右岸、左岸に香り高く果実味の豊かな樽熟成をさせたシャルドネから造られたワインが秀逸。特に、高山村の礫を多く含む水捌けの良い土壌は、ミネラル感の高い高品質なシャルドネ品種を産出している。
上田市のシャトー・メルシャン 椀子ワイナリーでは、ポテンシャルの高いシラー品種や香り豊かなソービニヨンブラン品種が栽培されている。
・主なワイナリー
マンズワイン小諸ワイナリー(メルロー、カベルネが秀逸)
シャトー・メルシャン椀子(マリコ)ワイナリー
ヴィラデスト・ガーデン・ファーム&ワイナリー
はすみふぁーむ&ワイナリー(酸味がしっかりとした甲州の評価が高い)
リュー・ド・ヴァン
② 桔梗ヶ原ワインバレー
・地域:塩尻市にある三大老舗ワイナリー、林農園、井筒ワイン、(株)アルプスなどのワインはコスパーの優れたワインが多く、樽を使用しないシャルドや熟成させたメルローから造られたワインの評価が高い。また、サンサンワイナリーはレストランを併設し、魅力的なワインを造っている。
・主なワイナリー
井筒ワイン
林農園
シャトー・メルシャン・桔梗ヶ原ワイナリー
株式会社アルプス
Kidoワイナリー
サンサンワイナリー
③ 日本アルプスワインバレー
・地域;松本市、安曇野市、大町、池田町。ニュートラルな味わいのシャルドネ、ソーヴィニョン・ブラン、ボルドーブレンドの赤ワイン、メルローなどの評価が高く、また、食用ぶどうから造られたコンコルド、ナイヤガラの辛口ワインもかなり進化している。
・ワイナリー
山辺ワイナリー
安曇野ワイナリー
サッポロワイン安曇野池田ヴィンヤード
スイス村ワイナリーあずみアップル
④ 天竜川ワインバレー
・地域:伊那市、宮田村、松川町。山ぶどうが中心に植えられ、ヤマソーヴィニョンから造られるワインはチャーミングで個性があり面白い。
・ワイナリー
本坊酒造マルス信州蒸留所(ワインばかりではなく、地ビール、ウイスキーブームの中、地元のマルスウイスキーもテースティングできる)
簡単ではありますが、わたしが訪問した長野県のワイナリーにつき感想を述べさせていただきました。
日本のワインを今後、益々発展させるためにはワインツーリズムの拡大が私の希望するところであります。ある場所に一つのワイナリーが設立されたとします。その後、ワインに興味がある者はそこに見学をしに来ます。その時に何か食事をするところを希望であればカフェ、素敵なレストランができあがります。また、宿泊を希望する者が多くなればオーベルジュなどのレストラン付帯の宿泊設備もショッピングエリアも必要となり、そこで働く人々を含め人々が集まる村などが出来上がってきます。
近くに小規模な観光地でもあればそこと連携をしてその観光地の歴史、文化を、そして城下町であれば神社、お寺、お城など地域としての観光地が確立していくわけです。具体例として、松本市、安曇野市地域のワイナリーとその近隣地域があげられます。
このようなワインツーリズムの世界的な成功例がカリフォルニア州のナパ・ヴァレーではないでしょうか?現在では多くのワイナリーでのテースティング、レストラン、イベント等々。町ではブティーク、ショップなどが立ち並び、ワイン列車なども営業し、一大観光地になっています。
ワインツーリズムとはただワインを飲むだけではなく、地元産の食を楽しみながら、地元の歴史、文化を学びながら総合的に旅を楽しむということです。緑の大地に鶯の小鳥がさえずり、四季折々の花が咲き誇り、コンクリートと雑踏の都会から逃れ、心身ともに癒される心地よい空間が広がっています。また丘の上にはワイナリーの自社ぶどう畑が連なり、その場所にワイナリー経営の小洒落たレストランが存在する。
地産の食材から作られた美味しい料理と地元産のワインとのマリアージュを楽しみ、眼下には静寂な中に潜む民家と農村地帯を望みながら友人と仲間たちと贅沢にそして心地よく過ごす。それらを、身をもって体験することによってワインライフがより充実したものになっていくのではないでしょうか。
わたくしが顧問を務める「葡萄の騎士の会」では小規模なワイナリーツアーを、北は北海道から南は九州まで実施します。ご興味のある方はぜひご参加いただき日本のワインの素晴らしさとその文化を体験してみてはいかがでしょうか?
葡萄の騎士の会では、7月(受付終了)と8月に山梨県の勝沼を中心としたワイナリーツアーを開催いたします。先着順でお申し込みを受け付けています。
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